山 行 報 告
2016/10 / 2     奥秩父・東ノナメ沢        メンバ:大谷、大高ぁ、記録:大谷

【コースタイム】

 (10月2日)
 時西沢渓谷駐車場発〜8:50東ノナメ滝9:0013時半終了14:50釜の沢(林道)〜17:15西沢渓谷駐車場着

【記 録】

 (10月2日)
 東ノナメ沢は「日本登山大系No.8  p.136」に「東ノナメ沢と呼ばれる豪快なナメ滝を出合いに落として存在を誇示している。
 この沢は、本流域の代表ルートと尊称を与えてもいいだろう」と紹介されている。
 東沢を歩くとき、いつも「登りたい」「登らなくては」と気になっていたこの壁(大滝)を盟友「哲さん」と登った。登攀距離300m、これは前穂四峰正面壁の有名ルート「北条新村」の180mを優に凌駕する。

1P:トポ通り左岸(水流右側)から取付く。2m登って0.25カムをセット、し
  かし
この上部はクラック、というか岩の襞が入っているだけで支点もなく
  、セット
もできそうにない。つるつるでとても登れずクライムダウン。
   1Pにして早くも「取付き敗退」が頭をよぎる。が、気を取り直し今度は
  右岸の草付っぽい壁を強引に登る。

2P:少し安定、ロープを40m目いっぱい伸ばすが、アンカービレイはできない
  ので、
腰がらみでビレイセット。

3P4P:登っているのは「渓嶺会ルート」、たまに古いリングボルトがあるが
   どうもルートが判然としない。なるたけ乾いた岩壁を拾って水流沿いに
  行く
と古いシュリングがかかったRCCボルトがあった。とても滑落荷重
  に耐え
られる代物ではないが、気休めに支点セット。
  上部左右のルーファイを
してみるが、これ以上は登攀の対象となる壁に
  は見えず、哲さんに
これ以上はムリなので、下降するよ」とコール。
  「もう3分の2は登った
ので了解」と。約15mクライムダウンしてみる
  と、左手上にハンガーボルト
を発見。これを見て、俄然また登攀意欲が
  噴出しだした。

5P:ここでピッチを切って、沢靴をクライミングシューズに替え、直上8mか
  ら
右へトラバース。快適、右側から下部へ流星のごとく滑降していく清流
  は
美しくそして流麗だ。しかし、東沢本流は既に遥か下方にあって、もう
  この地点からそこに帰っていくことは不可能。生還するにはこの大滝を

  登することしか手立ては残っていない。

6P:また沢靴に替えて直上するが、ピンも取れずスラブ状の垂壁に突き当り
  歩が踏み出せない。再度クライミングシューズに替え微妙なスメアで
越え
  た。ここから最後の核心部へ。苔と浸みだした水で茶色に変色した
ぬめぬ
  めの壁を、カンテ状に切り立った断崖の細かなホールド、そして足元の

  付を頼りにじりじりと登る。支点は壁に生えている
2p位の細枝のみ、
  落すれば「生と死の分岐点」だ。必死の形相で5p大の立木へのスリング
  セット
に成功したときは心底ホッとした。

7P:左側の割と立った草付壁を立木や草付を掴んで強引に登った。トポでは上
  部
本沢へはここから右トラバースして草付を登ることになっているが、実
  質の
登攀はこのピッチで終了。哲さんと完登の握手がうれしい!

 ・下降は左の尾根を下降した。途中この尾根は消えるので、右尾根に移る。ここでアクシデント発生した。O7p大の枯木に片手でテンションをかけたところ、枯木が折れて頭から真っ逆さま10m位吹っ飛んだ。怪我がなかったのは偶然というしかない。枯れ木は要注意です。

・帰途、沢筋で山ぶどう収穫。帰宅後ジュースにしたら格別の美味だった。